環境・リサイクルにおける情報セキュリティの重要性は年々高まっています。トーエイでは、環境国際規格「ISO14001」に加え、情報セキュリティの国際規格「ISO27001」を取得し、先進のセキュリティ体制を構築しています。本記事では、リサイクル企業が情報セキュリティ国際規格に挑む背景や、具体的な取り組みについて解説します。
この記事でわかること
- なぜ環境・リサイクル企業が情報セキュリティ国際規格(ISO27001)を取得したのか
- 電子機器リサイクルの国際責任基準「R2認証」取得へ向けた戦略的ステップ
- 厳格なセキュリティエリア区分と「顔認証ゲート」
- 専用メディア破砕機によるハードディスクの物理完全破壊
- 外部講師による研修や標的型メール訓練など、全社で育むセキュリティカルチャー
環境・リサイクル企業が「情報セキュリティ規格(ISO27001)」に挑む理由

「環境やリサイクルを手がける会社が、なぜIT企業が取得するような情報セキュリティ規格(ISO27001)を取得するのか?」
そう不思議に思われる方も少なくないかもしれません。
トーエイでは2000年に環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」を取得し、徹底した遵法管理と環境保全活動を20年以上にわたり続けてきました。そして2026年、新たに情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO27001」の認証を取得しました。
その背景にあるのは、リサイクル業界を取り巻く劇的な環境変化と、お客様から寄せられる高度な信頼への要請です。
循環型社会の未来を見据えて:R2認証へのステップ

いま、家電製品やパソコン、スマートフォン、OA機器などのリサイクル現場において、「環境負荷の低減」と同じくらい重要視されているのが「データ保護・機密保持」です。
電子機器が適正にリサイクルされる過程で、万が一にも内部の記憶媒体や基板からデータが漏洩するようなことがあれば、排出企業にとって取り返しのつかない社会的信用失墜につながります。
国際基準「R2認証」を見据えた戦略的取り組み
トーエイの家電事業部をはじめとする現場では、大手取引先や自治体からの厳格なセキュリティ要請に応えるとともに、中長期計画として電子機器リサイクルの国際責任基準である「R2認証」の取得を見据えています。
世界基準で安全な資源循環を実現するためには、強固な情報セキュリティマネジメントが不可欠です。ISO27001の取得は、単なる認証マークの獲得ではなく、グローバル基準の適正処理を牽引する企業へと進化するための確かな布石なのです。
現場とリモートを守る先進のセキュリティ体制

トーエイが構築したセキュリティ体制は、パソコン上のデータ管理にとどまりません。廃棄物が集まる「物理的な現場」から「デジタルネットワーク」、そして「記憶媒体の完全破壊」まで、何重もの防護網を敷いています。
厳格なセキュリティエリア区分と顔認証ゲート
トーエイの拠点では、施設の重要度や取り扱う情報の機密レベルに応じて、セキュリティエリア区分を厳密に設定しています。
機密性の高い電子機器や重要情報資産を取り扱うエリアは最上位のセキュリティエリア区分に指定されており、登録された顔データを持つ許可者以外は物理的に扉を開けることすらできません。部外者の立ち入りを完全に遮断し、「誰が、いつ入室したか」を正確に記録・監視しています。
メディア破砕機の導入:ハードディスクを物理的に完全破壊
パソコンやサーバー、OA機器の廃棄において、排出企業様が最も懸念されるのが「ハードディスク(HDD)やSSD内の機密データ」です。
トーエイでは、ソフトウェアによるデータ消去だけに頼るのではなく、専用のメディア破砕機を導入しています。
メディア破砕機による徹底破壊
- 強固なハードディスクを破壊: 強力な破砕刃により、磁気ディスク(プラッタ)や電子基板を物理的に破壊。
- データ復元が100%不可能な状態へ: 磁気や電子的手段によるデータ読み出しを根本から不可能にします。
- 物理破壊証明書の発行・目視確認対応: お客様のご要望に応じて、破壊前後の写真付き証明書の発行や、立ち会い破壊にも対応。
「物理的に粉砕して鉄や貴金属の資源に戻す」という工程を社内で一気通貫に行えるからこそ、情報漏洩リスクを完全にゼロに抑え込むことができます。
デジタル環境を守るセキュリティルール
物理的な施設管理に加え、日々のIT環境においても以下の厳格な運用基準を徹底しています。
- アクセス権限の承認制:承認を得た者のみにサーバー権限を付与。
- セキュアなリモートワーク環境:専用暗号化VPNを導入し、外部アクセスを制御。公衆Wi-Fiの利用制限も徹底。
- 記録媒体(USB等)の管理:USBメモリ等の記録媒体は利用・保管・持出し・廃棄を適切に管理。
- 強固なパスワードポリシー:生年月日や電話番号等の推測されやすい文字列の使用を禁止。
「人」から高める組織のセキュリティカルチャー
どれほど強固な顔認証ゲートやメディア破砕機を導入しても、最終的にセキュリティを守るのは「現場で働く社員一人ひとり」です。
トーエイでは、セキュリティを「堅苦しいルール」として押し付けるのではなく、「自分たちの身を守り、会社を守るためのカルチャー」として社内に根づかせる教育・啓発活動に力を入れています。
- 外部専門講師による定期研修:年1回以上、動画教材や最新の他社インシデント事例を交えた実践的なセキュリティ教育を実施。
- 標的型攻撃メール訓練の実施:巧妙化するサイバー攻撃を疑似体験し、不審なメールを即座に見破り報告する初動体制を強化。
- 新入社員への徹底オリエンテーション:入社時から情報管理の重要性を伝え、トーエイ基準のセキュリティマインドを育成。
- 小さなヒヤリハットの改善:社用スマートフォンの落下・紛失を防ぐためのストラップ装着の標準化など、身近なリスクへの対策を一つひとつ積み重ねています。
今後の展望:デジタルトランスフォーメーションへの挑戦
テクノロジーが急速に進化する現在、セキュリティへの取り組みに「完成」はありません。クラウドツールの活用が急速に広がる中で、トーエイでは業務の効率化や高度化を推進しつつ、新たな課題にもいち早く取り組んでいます。
新しいテクノロジーを恐れて遠ざけるのではなく、安全なガバナンスとルールを整えた上で正しく活用していく。絶え間ない改善(カイゼン)を続ける姿勢こそが、トーエイの強みです。
さいごに
「地球に正しい環境づくり」を掲げるトーエイにとって、資源を大切にリサイクルすることと、お客様の大切な情報資産を確実に守り抜くことは、完全にひとつながりの使命です。
- 環境(ISO14001)に加え、情報セキュリティ(ISO27001)の国際規格を両輪で運用。
- セキュリティエリアの厳格な区分と「顔認証ゲート」。
- 専用メディア破砕機による、ハードディスクの物理完全破壊。
- R2認証の取得を見据え、グローバル基準で信頼される高度リサイクル体制へ。
- 全社的な教育と新たな課題への取組みにより、進化し続けるセキュリティカルチャー。





