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グリーンエネルギーとは?未来を創る環境にやさしい電力の理想と現実【創業1961年リサイクル企業が解説】

ねえ、トーくん!グリーンエネルギーって、太陽光発電とかのこと?
「再生可能エネルギー」とは違うの?
良い質問だね、エイちゃん!太陽光発電もグリーンエネルギーの一つだよ。そして、「再生可能エネルギー」とほぼ同じ意味で使われることが多いんだ。
この記事で、その定義や種類、メリット・デメリットを一緒に見ていこう!

この記事でわかること

  • グリーンエネルギーの正確な意味と定義
  • 太陽光、風力、バイオマスなど、グリーンエネルギーの具体的な種類
  • グリーンエネルギーがなぜ地球環境にとって重要なのか
  • 家庭でグリーンエネルギーを利用するための具体的な方法
  • グリーンエネルギーに対する懐疑的な意見や課題

グリーンエネルギーとは?未来を創る環境にやさしい電力

グリーンエネルギーの基本的な定義

グリーンエネルギーとは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスといった自然界に常に存在するエネルギー源から作られる電力や熱のことです。これらのエネルギーは、利用しても枯渇する心配がなく、発電時に地球温暖化の原因となるCO₂をほとんど排出しないか、排出しても全体として増加させない「カーボンニュートラル」な性質を持っています。そのため、「環境にやさしいクリーンなエネルギー」として、世界中で導入が推進されています。

しかし近年では、「本当にクリーンなのか」という疑問も一部から上がっています。太陽光パネルの製造や廃棄に伴うCO₂排出、風力発電の設置による生態系への影響など、導入時・運用時に生じる環境負荷が完全にゼロではない点が指摘されています。

再生可能エネルギーやクリーンエネルギーとの違い

「グリーンエネルギー」と似た言葉に「再生可能エネルギー」や「クリーンエネルギー」があります。これらの言葉は、しばしば同じような意味で使われますが、厳密な定義は少し異なります。

  • 再生可能エネルギー:法律で定義されており、「エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの」を指します。太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、バイオマスなどがこれにあたります。
  • クリーンエネルギー:発電時にCO₂や有害物質を排出しない、または排出量が少ないエネルギー全般を指す、より広い概念です。再生可能エネルギーの多くはクリーンエネルギーに含まれます。

一般的に、グリーンエネルギーは再生可能エネルギーの中でも特に環境への負荷が小さいもの、というニュアンスで使われることが多いです。ただし、これらの分類は国や機関によって基準が異なる場合もあり、「グリーン」とされるものの中にも賛否が分かれるケースがあります。

グリーンエネルギーの主な種類とそれぞれの特徴

太陽光発電:最も身近なグリーンエネルギー

太陽の光エネルギーをソーラーパネルで直接電気に変える発電方法です。住宅の屋根や空き地など、さまざまな場所に設置できるため、最も普及が進んでいるグリーンエネルギーの一つです。夜間や雨天時には発電できないという課題もありますが、技術開発により変換効率は年々向上しています。
一方で、設置面積の確保やパネルの寿命・廃棄処理に関する問題も無視できません。近年では大量設置による景観悪化や森林伐採が社会問題化する例もあります。

風力発電:大規模な発電が可能

風の力で風車を回し、その回転エネルギーで発電機を動かして電気を作ります。陸上だけでなく、より安定した強い風が吹く洋上に設置する「洋上風力発電」も注目されており、一度に大量の電力を生み出すことが可能です。ただし、景観への影響や騒音、バードストライク(鳥が風車に衝突すること)などの課題も指摘されています。

バイオマス発電:廃棄物をエネルギーに

木くず、家畜の糞尿、食品廃棄物といった生物由来の資源(バイオマス)を燃やしたり、ガス化したりして発電する方法です。廃棄物を燃料とするため、ごみの削減や資源の有効活用につながります。燃焼時にCO₂は排出されますが、原料となる植物が成長過程で光合成によってCO₂を吸収しているため、全体として大気中のCO₂は増加させない「カーボンニュートラル」なエネルギーとされています。
ただし、原料の調達や輸送に伴うエネルギー消費、燃焼による微粒子排出などから「本当に中立なのか?」という批判もあります。また、燃料用作物の大量栽培が食料問題を悪化させる懸念も指摘されています。

地熱発電:天候に左右されない安定したエネルギー

地下深くにあるマグマの熱を利用して蒸気を発生させ、その力でタービンを回して発電します。火山国である日本にとっては、大きなポテンシャルを秘めた国産エネルギーです。天候や昼夜に関わらず24時間安定して発電できるのが最大の強みですが、開発コストが高いことや、国立公園内に資源が集中しているなどの課題があります。

水力発電:古くて新しいクリーンな電力

ダムなどから水を放流する際の勢いを利用して水車を回し、発電する方法です。古くからある発電方法ですが、CO₂を排出しないクリーンなエネルギーとして再評価されています。大規模なダム開発は環境への影響も大きいですが、近年では中小規模の河川や農業用水路などを活用した「中小水力発電」も注目されています。

グリーンエネルギーを導入するメリット

地球温暖化の防止(CO₂排出量の削減)

グリーンエネルギーを導入する最大のメリットは、地球温暖化対策に直結することです。現在、日本の電力の多くは、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料を燃やす火力発電によって作られており、その際に大量のCO₂が排出されています。グリーンエネルギーへの転換を進めることで、このCO₂排出量を大幅に削減し、気候変動の進行を食い止めることができます。

ただし、グリーンエネルギーだけで急速な脱炭素を進めると、電力コストの上昇や供給不安を招く恐れがあるという指摘もあるため、適切な判断を行うことが重要です。

地球温暖化対策計画(令和7年2月18日閣議決定)|環境省
環境省のホームページです。環境省の政策、報道発表、審議会、所管法令、環境白書、各種手続などの情報を掲載しています。

エネルギー自給率の向上

化石燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っている日本にとって、エネルギー自給率の低さは長年の課題です。国際情勢によっては、燃料の安定的な確保が困難になったり、価格が高騰したりするリスクがあります。太陽光や風力、地熱といった国内の資源を活用するグリーンエネルギーは、エネルギー安全保障の観点からも非常に重要であり、エネルギー自給率の向上に貢献します。

グリーンエネルギーのデメリットと今後の課題

発電コストと安定供給の問題

グリーンエネルギーには多くのメリットがある一方で、課題も存在します。技術開発により価格は下がってきていますが、日本国内では、高コストや系統制約(送電網の問題)が残っています。また、太陽光や風力は天候によって発電量が大きく変動するため、電力の安定供給をどう確保するかが大きな課題です。蓄電池の活用や、複数のエネルギー源を組み合わせるなどの対策が求められます。さらに、蓄電池の製造・廃棄に伴う環境負荷やレアメタルの採掘問題など、「別の環境リスク」を指摘する声もあります。

導入に向けた技術開発とインフラ整備

グリーンエネルギーの本格的な普及には、さらなる技術開発が不可欠です。より効率的に発電する技術や、発電した電気を無駄なく使うためのインフラの整備などが今後の重要なテーマとなります。また、地熱発電や洋上風力発電のように、開発に適した場所が限られているという制約もあります。

世界と日本のグリーンエネルギーへの取り組み

パリ協定と世界の動向

気候変動対策の国際的な枠組みである「パリ協定」をきっかけに、世界各国でグリーンエネルギーへの移行が加速しています。EUでは「欧州グリーンディール」を掲げ、2050年までに域内の温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを目指しており、グリーンエネルギーへの大規模な投資を進めています。
しかし、欧州では風力発電事業の採算悪化や補助金への依存が問題視されており、「理想と現実のギャップ」が浮き彫りになりつつあります。

日本の「グリーン成長戦略」とは

日本政府も「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、「グリーン成長戦略」を策定しました。これは、環境対策を経済成長の制約と捉えるのではなく、むしろ新たな成長の機会と捉え、洋上風力、水素、自動車・蓄電池など14の重要分野で高い目標を掲げるものです。グリーンエネルギーの導入拡大は、この戦略の重要な柱となっています。ただし、再エネ比率を高めるには送電網の整備や土地利用の課題も多く、技術だけでなく社会的合意形成が不可欠とされています。

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(METI/経済産業省)

家庭でできる!グリーンエネルギー利用の始め方

グリーン電力証書の活用

「グリーン電力証書」とは、自然エネルギーによって作られた電気の「環境価値」を証書として購入できる仕組みです。この証書を購入することで、その分の電力をグリーンエネルギーでまかなったと見なされ、環境貢献活動としてアピールすることができます。主に企業向けの仕組みですが、個人で購入することも可能です。

グリーン電力証書ガイドライン|一般財団法人日本品質保証機構(JQA)
グリーン・エネルギーの普及・啓発に向け、グリーン・エネルギー・統一マークの整備、グリーン電力基金の活性化、グリーン電力証書ガイドラインの整備、グリーン電力証書の取得に係る税務・会計面の在り方の更なる検討などがすすめられています。

再エネ電力プランへの切り替え

より直接的にグリーンエネルギーを応援する方法として、電力会社のプランを見直すことが挙げられます。2016年の電力小売全面自由化により、私たちはライフスタイルに合わせて電力会社や料金プランを自由に選べるようになりました。電力会社の中には、再生可能エネルギー比率の高い電力プランを提供しているところもあります。自分の家庭で使う電気をグリーンなものに切り替えることは、誰でもできる具体的なアクションです。

まとめ

グリーンエネルギーとは、地球環境を守り、持続可能な社会を築くための鍵となるクリーンなエネルギーです。コストや安定供給といった課題はまだ残されていますが、技術革新は日々進んでいます。一方で、「再エネだけが解決策ではない」という現実も見つめる必要があります。
エネルギー政策には多角的な視点と社会的合意が欠かせません。国や企業だけでなく、私たち一人ひとりがグリーンエネルギーに関心を持ち、具体的な行動を起こすという選択を行うことが、より良い地球環境を次世代へと引き継ぐための大きな一歩となるのです。

グリーンエネルギーって、未来のエネルギーだと思ってたけど、もう私たちの生活の中で選べる時代なんだね!
そうなんだ、エイちゃん。電力会社を切り替えるだけで、環境問題に貢献できるなんて、すごいことだよね。
うん!なんだかワクワクしてきた!
一人ひとりの意識と行動が、日本の、そして世界のエネルギーの未来を創っていくんだ。
これからも一緒に、地球のためにできることを考えていこうね。