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工場のカラス被害を鷹匠で解決!ハリスホークによる鳥害対策の全貌【愛知県知多郡東浦町】

この記事を要約すると・・・

  • 当社(トーエイ株式会社、愛知県知多郡東浦町)のリサイクルセンターでは、カラスによる糞害、太陽光パネル破損、停電リスク等に悩まされていた。
  • 過去に実施した「音による対策」はわずか3日でカラスに学習され効果を失ったという経験があった。
  • この度、プロの鷹匠に相談し「ハリスホーク」を投入。カラスの脳裏に「ここは危険な場所だ」と認知させるアプローチを実施。
  • カラスが工場を忌避するようになり、劇的な追い払い効果を観測している。

背景:リサイクルセンターに集まるカラスがリスクをもたらす

数年前から、リサイクルセンターの選別場や太陽光パネル周辺にカラスが集まるようになりました。リサイクルセンターにはカラスのおもちゃになる廃棄物や、カラスが好む光物(太陽光パネルのガラス面など)が常に存在します。そのため、季節を問わず年中カラスを引き寄せてしまう現場環境になっているのです。

現場が頭を抱えていた具体的な実害

  • 設備・車両の糞害:重機やフォークリフト等が糞で汚れるため、毎朝の洗車に余分なコストがかかる。
  • 廃棄物の散乱:カラスがゴミを散らかし、工場のクレンリネスが低下する。
  • 見学時のイメージダウン:工場見学に来られたお客様や取引先様への第一印象が悪くなる。
  • 太陽光パネルの汚損・破損:カラスにとって上空から物を落とすのは遊びの一つ。パネルの汚損やガラス破損の危険がある。
  • 停電トラブルのリスク: 構内の電柱に巣を作られ、ショートして工場が停電する危険がある。

3日で破られた「天敵の鳴き声放送」

工場側もただ手をこまねいていたわけではありません。カラスの天敵(タカやワシ)の鳴き声を1日5回、スピーカーから大音量で流す対策を試みました。しかし、知能が極めて高いカラスたちは、わずか3日ほどで「音だけで実害がない」ことを見破り、完全に慣れてしまったのです。

そこで工場が目をつけたのが、一時的な脅しではなくカラスの「野生の本能」に直接訴えかけるロジカルな解決策——プロの鷹匠とタカによる追い払い作戦でした。

豊橋のエースも参戦!工場を守る「ハリスホーク」

今回の作戦は「ここは猛禽類の縄張りだ」とカラスに認識させ、自発的に近づかなくさせる環境一体型の画期的なアプローチです。

この鷹匠チームは全国の重要インフラや商業施設からオファーが殺到している超人気プロ集団。もう少し遅かったら断られていたかもしれないというほどのフル稼働状態で、今回タイミングよく依頼が通ったのは、まさに幸運でした。

配備された個性豊かな相棒たち

工場に来てくれたのは「ハリスホーク」という種類のタカたちです。サイズはそれほど大きくありませんが、非常に賢く、協調性が高いことで知られています。現時点で合計5羽が来てくれていますが、そのうち3羽をピックアップ。個性豊かなメンバーを紹介します。

センくん(7歳・オス)

どんなターゲットにも動じない、豊橋が誇る絶対的エース。以前は「千尋(ちひろ)」という鷹匠と「千と千尋コンビ」として各地で活躍した有名鳥で、その実力は折り紙付きです。

クレハちゃん(年齢不明・メス)

どっしり構える頼もしいベテラン。実は3回飛ぶと疲れてしまうのですが、鷹匠のグローブに乗っている間は「早く飛ばせて!」とうずうずしっぱなし。そのギャップがたまりません。

貴姫(きひ)ちゃん 8歳・メス

わがままな性格ですが、パートナーが大好きな女の子です。

年間を通じたパトロール計画

カラスの定着を徹底的に防ぐため、以下の2フェーズに分けた綿密なスケジュールで運用します。

フェーズ① 集中追い払い:計16回

まずはカラスをこの工場から追い出します。

  • 期間:2026年6月~2026年8月
  • 体制(1回あたり):ハリスホーク2羽 / 2時間

フェーズ② 環境維持パトロール:計24回

カラスが「ここは危険な縄張り」と学習した後も、その認識を維持させます。

  • 期間:2026年9月~2027年8月
  • 体制(1回あたり):ハリスホーク2羽 / 2時間

効果絶大!カラスの脳裏に恐怖を焼き付ける

作戦がスタートすると、カラスの生態を巧みに突いたプロの技術が炸裂しました。

カラスがパニックに陥る

タカが工場に姿を現した瞬間、カラスたちは大騒ぎ。最初は数羽で集まってタカを取り囲み、必死に威嚇してきました。しかし、タカがひとたび大空へフライトを開始すると、その圧倒的な強者のオーラに恐れをなし、一斉に逃げ去っていったのです。

擬似捕食:本能に刻む視覚的恐怖

さらに決定打となったのが、カラスの目の前で行う擬似捕食の訓練でした。

  1. リアルな人形を投入:内部に肉を仕込んだ、カラスそっくりの人形を空中に投げる。
  2. 空中キャッチと捕食:タカがそれを空中で鮮やかに仕留め、カラスたちが見ている前で羽をむしりながら中の肉を食べる。
  3. 視覚的な恐怖の刷り込み:周囲のカラスから見れば仲間が食べられているようにしか見えません。「この工場に近づいたら命がない」という恐怖が脳裏に強烈に焼き付きます。

タカのポテンシャルを引き出す現場の連携

プロの作業を最大限活かすため、工場側でもルールを徹底しました。事前に鷹匠さんと打ち合わせを行い、「タカに不用意に近づかない・手を出さない」などの注意事項を全スタッフに周知。また、大勢で見物すると周囲を気にしたタカが飛ばなくなることがあるため、「実施中は普段通りに仕事をこなし、遠くから静かに見守る」というルールも徹底しました。チーム全員でプロの仕事をサポートした形です。

目指すは「お客様に魅せるクリーンなリサイクルセンター」

2026年6月に始まったこのプロジェクトにより、工場周辺で見かけるカラスの数は減少傾向にあります。具体的には、60羽ほどいたカラスが半減しているように見えます。

一時的な効果で満足せず、2027年8月までパトロールを継続。化学薬品を一切使わない、自然の力を応用した環境にやさしい害鳥対策で、カラスのいない安心・安全な環境を定着させていきます。

リサイクルセンター・現場担当者からのメッセージ

「カラスが減ることで、リサイクルセンターの衛生環境や作業環境の向上が期待されます。それは私たちが目標に掲げている『お客様に魅せる工場』の実現への大きな一歩です。改善したからといって今の状況に満足せず、これからも継続的な現場改善を重ねてまいります!」

最先端のDXやマーケティングだけでなく、こうした自然の力を応用したロジカルな環境対策も柔軟に取り入れる。それこそが、私たちトーエイ株式会社の目指すスマートな資源循環の姿です。当社の工場見学にお越しの際は、ぜひ空を見上げてみてください。運が良ければ、工場を守る頼もしい救世主たちが大空を舞っている姿が見られるかもしれません。